なんて名前をつければいい?
「っ一護 危ない!!!」
───ガァンッ
咄嗟に叫んだ一角の言葉が届く前に、俺は頭から壁に叩き付けられていた。
尸塊界に来る度に十一番隊の鍛錬場に顔を出し、一角や弓親と稽古をしていた一護は、一角との勝負に勝った直後で気が弛んでいた。隣で弓親と遣り合っていた荒巻が一護の方に吹っ飛ばされてきた時、叫んだ一角の声も空しく、一護は荒巻と一緒に壁に叩き付けられた。一護がクッションになったか荒巻は軽傷だったが、頭を強打した一護は気を失い、四番隊の救護を受ける事となった。一護は丸一日気を失ったまま四番隊舎で過ごし、その間に一護を心配して見舞いに来る者が後を断たなかった。
丁度その日遠征に行っていた剣八とやちるは帰ってくるなり一護の知らせを受け、疲れをとる事も無く四番隊へと急いだ。
「───っ一護!!」
剣八は病室のドアを壊さんばかりに勢いよくブチ開け入り込んできた。
「静かに!ここは病室ですよ!!」
その剣八の霊圧の強さに臆する事無く卯ノ花は剣八を制した。
「っせぇ!一護は無事なのかよ?!」
そんな卯ノ花に問答無用で剣八は掴み掛かる。一護の容態が心配で余裕など無くした剣八は、更に上がる霊圧を制御せきず、その強過ぎる霊圧に押され、救護の為に来ていたナースの何人かが床に臥した。
「落ちつきなさい!一護君は頭を少し強く打っただけで大事には至っていません!分かったならその霊圧を少し下げなさい!貴方の霊圧で新たに患者を増やすつもりか?!」
滅多にキレることのない卯ノ花に怒鳴られ、やっと正気を取り戻した剣八は、掴み掛かった手を解き、ベッドで寝ている一護の方へと顔を向けた。
「…まだ、目は覚めてないのか」
「…えぇ。時間的に見て、もうじき目を覚ます頃だとは思うのですが…」
卯ノ花が時計へと視線を写し、時間を確認した時、一護の身体が微かに反応した。
「──…ぅ…」
「っ一護?!」
剣八が一護の顔を覗き込み、様子を伺うとゆっくりと一護が目を開けた。
「良かった気が付いたのですね!」
「───…一護…」
卯ノ花が安堵の声をあげ、剣八が一護に声を掛けると、一護はゆっくりと辺りを見回すように視線を動かした。
「──…此処は…」
「四番隊の救護用の隊舎だ。──ったく、周りに反応できねぇ程無茶しやがって…」
一護が剣八に説明され、初めて其処に視線を移すと、信じられない言葉が一護の口から飛び出した。
「───アンタ、誰だ?」
-続-
始まりました。長編です。かなり長くなる模様です。一護記憶喪失になってます。ベタです(本当にな)。ちなみにネタは韓国語の授業中にできました(は?)。