心身剥離症候群
1.Scream
躯と心
一つではないと、気付いたのは何刻だっただろう




「っ…ぅあっ」

 まだ太陽も高い位置にある時間。誰も来ないのを良い事に、乱雑に資料が放り込まれた十一番隊の資料室で、剣八と躯を重ねていた。

「っちょ、マジ…っ ぃたい、って 剣八っ!無理矢理挿れんな!」
「嘘言え。いつも美味そうに喰ってんじゃねぇかよ。」
「ばっ!!いつもテメェが無理矢理突っ込んでるだけじゃねぇかよ!!」

 さも当然のように俺を抱き、生産性の全く無いこの行為を繰り返す。
 勿論、合意も同意もしたつもりは無い。いつもいつも突然に言い出しては、ほぼ強姦に近い形で挿れられる。

 それが、
 コイツにとって唯の性欲処理なのだと、
 言われているようで

 躯よりも先に、心が悲鳴を上げていた。

「っ ぅく、…ひっ ぅあ──」

 流れる涙は、貫かれる痛みのせいにして
 引き寄せるように縋る腕は、揺さぶられる激しさのせいにして
 思わず呼ぶ名前は、浮かされる熱のせいにして

 軋む心の音を隠して
 卑しく反応する躯を手放した


躯と心
一つではないのだと、
気付いたのは何刻だっただろう──…

-続-


突発に書いた剣一。身体は繋げても、心を伝えてないから剥がれていく。