一つではないと、気付いたのは何刻だっただろう
「っ…ぅあっ」
まだ太陽も高い位置にある時間。誰も来ないのを良い事に、乱雑に資料が放り込まれた十一番隊の資料室で、剣八と躯を重ねていた。
「っちょ、マジ…っ ぃたい、って 剣八っ!無理矢理挿れんな!」
「嘘言え。いつも美味そうに喰ってんじゃねぇかよ。」
「ばっ!!いつもテメェが無理矢理突っ込んでるだけじゃねぇかよ!!」
さも当然のように俺を抱き、生産性の全く無いこの行為を繰り返す。
勿論、合意も同意もしたつもりは無い。いつもいつも突然に言い出しては、ほぼ強姦に近い形で挿れられる。
それが、
コイツにとって唯の性欲処理なのだと、
言われているようで
躯よりも先に、心が悲鳴を上げていた。
「っ ぅく、…ひっ ぅあ──」
流れる涙は、貫かれる痛みのせいにして
引き寄せるように縋る腕は、揺さぶられる激しさのせいにして
思わず呼ぶ名前は、浮かされる熱のせいにして
軋む心の音を隠して
卑しく反応する躯を手放した
躯と心
一つではないのだと、
気付いたのは何刻だっただろう──…
-続-
突発に書いた剣一。身体は繋げても、心を伝えてないから剥がれていく。